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定量的なデータを基にしたプロジェクトの可視化 |
5.定量化を阻む一般的な問題 繰り返しになる部分もあるが、可視化/定量化を進めていく上で考慮しなければならない、主要な問題について整理しておく。
@視点の違いの問題
経営層、PM、PL、PMO、現場、立場の違いや置かれている状況によって欲しい情報が異なり、測定方法・測定項目・測定指標・測定対象等を巡って、相互の視点が交錯し意見がかみ合わない。
A指標の多様性と選択の問題
一般書籍等で紹介されている指標は多岐にわたる。この中から本当に必要な指標や自社の特性に合った指標を選択することが難しい。また、視点の違いにより選択候補を絞りきれない。
Bコストバランスの問題
測定行為のコストが効果とバランスするのか単純に判断出来ない。仮に、特定の指標のみを測定した場合、その効果は限定的となり期待する効果が出ない可能性が高い。一方、多種の指標を測定した場合では、測定コストが膨れあがり見合わなくなる。
Cインセンティブの問題
測定を促すインセンティブがプロジェクトチームに働きにくい。プロジェクトメンバーからすれば、プロジェクト遂行上の必要な活動とは捉えにくく前向きになれない。PMやPLにしても、プロジェクトをマネジメントするための情報は欲しいが、それ以上のコストは負担したくない。
D指標の有効性の問題
指標の有効性の確認には、ある程度の測定期間が必要であるため、全体的な期間が長くなり、本当に有効な指標であるかの判定に時間が掛かってしまう。
E分析者スキルの問題
分析者のスキルや経験が低い場合、思うように蓄積データの取り扱いが出来ず、適切な活用が出来ない可能性が出てくる。測定対象の指標が少数であれば、分析方法が画一化されやすくなるが、プロジェクトが多様化している昨今では、多面的な分析が要求される事から、分析者には一定のスキルが要求される。
F用語の定義の問題
“指標”、“メトリクス”、“レベル”等々、よく考えると概念的に使用している用語である事に気づくはずであるが、共通認識を持たないままにしておくと、論点のすれ違いが多発する。
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